こんにちは!
今日は、以北五道について紹介したいと思います!
以北五道とは、大韓民国(韓国)政府の立場において、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)によって占拠されたまま、「収復」(韓国政府の正統な統治下への復帰)がいまだに行われていない5つの区域です。
以北五道とは、
黄海道(こうかいどう)
平安南道(へいあんなんどう)
平安北道(へいあんほくどう)
咸鏡南道(かんきょうなんどう)
咸鏡北道(かんきょうほくどう)
の5つです。
それぞれ簡単に紹介したいと思います!
道庁所在地は沙里院市。
行政区域は2市 14郡。
1954年、黄海道を南北に分けて、北東部の内陸に新設された。
北東部は阿虎飛嶺山脈に属し、支脈の滅悪山脈が南西に延びて、道を大同江流域と礼成江流域に分ける。
平地は少ないが、テドン江支流の載寧江や黄州川の流域には於地屯灌漑区や銀波湖等の灌漑施設が建設され、レソン江上流の新渓郡にも揚水による灌漑区がある。
米、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、野菜、タバコ、アサ等が栽培され、リンゴ、ブドウ、モモの果樹作や養蚕も盛んである。
鉄、石灰石、耐火粘土、蛍石の鉱山があり、松林市の黄海製鉄連合企業所に原料を送る。
また、延山郡の笏洞に金鉱山がある他、天然スレート、大理石、鉛、タングステンも豊富である。
サリウォン市には紡織総合機械工場、鳳山郡馬洞にセメント工場がある。
面積 8850㎢。
人口 140万 9000(1987年推計)。
道庁所在地は平城市。
行政区域は2市 21郡。
東部は狼林山脈、妙香山脈等の山地であるが、西部は準平原と丘陵で、大部分が大同江の流域である。
北部を流れる清川江の下流には安州平野がある。
平壌を含んでいたが、1972年、特別市となって分離。
他道より耕地面積が広く、灌漑用水も整備されているので主食物の生産は多い。
アンジュ平野は平南灌漑区の建設によって重要な稲作地となり、テドン江の西方にも 10万 haに上る岐陽灌漑区が形成された。
江西郡の青山里は北朝鮮における農業の模範として知られている。
成川郡のクリ、南浦市一帯のリンゴも有名。
ミョヒャン山脈は無煙炭が豊富で、順川、价川、北倉、徳川等の郡に炭鉱があり、他に鉄、非鉄金属の鉱山もある。
テドン江下流一帯は北朝鮮屈指の大工業地帯で、カンソ郡降仙の鉄鋼、ナンポ市の精錬、造船等の他、機械、自動車、肥料、セメント、ガラス、繊維等の大工場がある。
海岸には塩田があり、特に広梁湾岸で天日製塩が盛んである。
東部山間の陽徳温泉は労働者の保養地として有名である。
面積1万 2200㎢。
人口 265万 3000(1987年推計)。
道庁所在地は新義州市。
行政区域は2市 22郡。
江南山脈、狄踰嶺山脈、妙香山脈が北東から南西方向に並行しており、大部分が山地である。
北西縁を中国との国境をなして鴨緑江が流れる。
南部の大寧江、撻川江の下流に広がる雲田平野は灌漑区が建設されて稲作が盛んであり、アムロク江の下流にも9万 haに及ぶ灌漑区がある。
主作物はイネ、オオムギ、トウモロコシ、タバコ、ワタ。
山間では畜産、養蚕、養蜂が行われ、昌城郡は山地の総合的利用に関する模範となっている。
地下資源は金が豊富で、北朝鮮最大の雲山金鉱、2位の大楡洞金鉱の他、亀城市、宣川郡、義州郡等に金鉱がある。
アムロク江の水豊ダムによって電力に恵まれる。
工業はシヌイジュ市、クソン市、博川、スプン湖岸の青水、東部山間のウンサン、香山、西部の東林、塩州等に発達しており、化学、機械、紡織の大工場も立地している。
沿岸では漁業が盛んで、ヨムジュ郡には塩田がある。
東部の球場付近は石灰岩地帯で、トンリョン窟等の大鍾乳洞がある。
面積1万 2200㎢。
人口 238万(1987年推計)。
道庁所在地は咸興市。
行政区域は2市 16郡。
東朝鮮湾に望む海岸平野と、背後の赴戦嶺山脈、狼林山脈等から成る。
多数の小河川が急流をなして海に注いでいる。
北西部は蓋馬高原の一部で、鴨緑江の支流である赴戦江、長津江が北流する。
両河川の水を海岸側に導く流域変更方式によって発電が行われ、更に虚川江にも発電所を建設している。
地下資源が豊富で、北大川沿いにある検徳の亜鉛・鉛鉱山、竜陽のマグネサイト鉱山が規模が大きく、他に高原郡の無煙炭、クミャ郡(旧永興郡)の黒鉛、利原郡等の鉄鉱石、またリン、硫化鉄、石灰石の鉱山もある。
ハムフン市は北朝鮮屈指の化学工業都市で、化学繊維、肥料、カーバイド等を産し、イパル(二八)ビナロン連合企業所、興南肥料連合企業所等の大工場が立地する。
川内にセメント、端川にマグネシウム工場がある。
農業は畑作を主とし、ハムフン平野の稲作、北青郡のリンゴ、ナシが有名。
漁港は新浦、陽化、三湖等があって、水産加工も盛んである。
面積1万 9000㎢。
人口 254万 7000(1987年推計)。
行政区域は3市 13郡。
中央を咸鏡山脈が北東から南西に延び、面積の約 90%が山地である。
大部分の河川は急流をなす為、河岸に平地は発達せず、平野は海岸とトゥマン江沿いに連なるのみである。
年平均気温は山脈の北西側で5~6℃、南東側で7~8℃。
年降水量 500~700mm。
地下資源が豊富で、特に褐炭は北朝鮮の 80%以上を産出。
主な炭鉱はトゥマン江の中・下流域の阿吾地、古乾原、鶴浦、穏城、南部の明川=吉州地溝帯にある古站の各炭鉱である。
鉄、黒鉛、金、雲母、マグネサイト、カオリン土、石灰石、ニッケルも産する。
金策市は鉄鋼を中心とする工業都市で、他にアオジ、明間等にも化学工業がある。
農業は畑作を主とし、コムギ、トウモロコシ、ダイズが主作物である。
トゥマン江と海岸に沿う低地では稲作を中心とする。
木材の産出が多く、キルチュ、会寧に製材、製紙の工場がある。
沿岸には羅津、キムチェク等の漁港があって、スケトウダラの水揚げが多い。
ミョンチョン郡の七宝山は咸鏡金剛と呼ばれる景勝地である。
北端のオンソン一帯は、日本の統治期に抗日革命根拠地となった。
面積1万 5700㎢。
人口 200万 3000(1987年推計)。
如何でしたか?
北朝鮮の地区は、道で分けられることもあるのですね。
昔の日本も五畿七道という区域で分けられていましたね。
最後までお読み頂き有難う御座いました!